昨年末に壁掛け仏壇「鏡壇”ミラリエ”」(その時はまだ名前はありませんでしたが・・・)の試作機を制作したときに、友人や知人にご意見を伺いました。
比較的高年齢層の人の意見は見事に分かれました。
「こんな仏壇、誰が買うの? 少なくとも自分は欲しいと思わない」
という保守的な方。
もちろん、こういう方がいらっしゃるのは想定内のことでしたから、その方の価値観を否定するつもりもなく・・・
きっと、こういうご意見の方って、りっぱな和室を仏間としてお持ちで、立派な仏壇をご安置されているのではないかと思います。
私と同世代の50代の方やちょっと上の60代の方の中にも
「この薄型の壁掛け仏壇、もっと早くにあったら買っていた」
とか
「この仏壇、欲しい」
と言ってくださる方や
「こういう時代だよね」
と評価してくださる方も結構いらっしゃいました。
そんな中で、若い方からの意見が私の胸に刺さりました。
「もう少しコンパクトに、もっと薄くできませんか?」
若い人から意見を聞きたかったのは、今の若い人たちが年を取った時に「仏壇」をどう考えるのかを知りたかったからなのですが・・・
現実的に若い世代の人に、リアルタイムで仏壇の需要があるとは思ってもいなかったからなのです。
でも、早くに親を亡くされた方、妊娠したけれども無事に子供を産むことができなかった方、無事に出産されたのに事故や病気で子供が小さいうちに亡くされた方・・・
仏壇の需要って、高齢化したから発生する・・・
という物ではないことに気付きました。
そして、こうした方々は、
現在の住まいが狭いから仏壇を置くスペースが無い
というだけではなく
供養のために仏壇は欲しい・・・
でも、悲しい思い出を引きずるのも嫌だ・・・
だから、小さくて素敵な仏壇が欲しいのだということなのです。
つまり、「メモリアル仏壇」「メモリアルボックス仏壇」は、さりげなくインテリアに溶け込みながらも、確実に「存在している」必要があるのです。
亡くなった方への思いは人それぞれですし、供養のスタイルも人それぞれ
こういう人たちのためにも、
「小型仏壇」
「ミニ仏壇」
「スリム仏壇」
「コンパクト仏壇」
という
「小さい仏壇」でも「おしゃれな仏壇」
「薄型仏壇」でも「機能的な仏壇」
を開発しなければならない・・・と考えるようになったのです。
この発想から生まれたのが「Sサイズ」なのですが、さらに「薄型仏壇」を極めるために、無駄な総称要素も一切排除して生まれた「スリム仏壇」が、フレームレス・ソリッドミラーという考え方です。
「都会的仏壇」で、「スタイリッシュ仏壇」という発想は、賃貸マンションや分譲マンションにお住まいの方々にも気に入っていただけると思っています。