葬儀業者の方のお話を聞いていると、いろいろとタメになることがありますね。
そもそも仏壇の起源は、お寺の檀家の方々が自宅にもご本尊を祀りたい・・・
お寺のミニサイズを自宅に作りたい・・・
ということにあるようなので、仏壇というのがそもそも「小さなお寺」だったということねんですね。
だからどこの宗派の教義にも「仏壇」を規定するようなものはなく・・・
信仰心の表れだったり、信仰の対象だったということなのですが、現代の仏壇というのはどちらかというと「故人を偲ぶ」とか「先祖に供養する」という意味合いで使われているご家庭の方が多いようです。
薄型インテリア壁掛け仏壇「鏡壇”ミラリエ”」の発売にあたり、新聞社や雑誌社の方から取材を受けると必ずといって良いほど聞かれるのが
「仏壇の需要」
「仏壇ビジネスの将来性」
といったこと。
開発のための資金調達や融資依頼のために商工会議所や金融機関の方と話をしても、同じような内容のことを聞かれます。
確かに、統計データを見ても「仏壇小売業」の店舗数や売上は減少傾向にあるのですが、その一方では「葬儀業」や「葬儀場」の数も売上規模も拡大していて、単に購入される経路が変わっているだけのような気もするのです。
それより何より・・・
私の回答は、
「友人装」「家族葬」といった葬儀の形態が進化していること、小規模化していることによって、イコール仏壇も小型化する・・・
つまり「ミニ仏壇」「小型仏壇」といった小さな仏壇の需要へシフトしていくのではないかということ
それと、核家族化が進むことによって、仏壇は代々「本家」にあるもの「長男が継ぐもの」といった慣習からすでに分化していることは、読者のみなさんも感じていらっしゃる通りです。
多くの若い方は、
「うちには仏壇なんて関係ない」
「うちには仏壇なんか必要ない」
と思っていらっしゃるかもしれません。
でも、両親や親族を亡くしたときに初めて「それは違う」ということに気付くのです。
多分それは
「位牌を祀るための仏壇」
としてではなく
「故人を偲ぶためのメモリアルボックス」
なのだと思います。
仏壇という単語に、
信仰の対象であるご本尊様をご安置するもの
故人(仏様)を祀る物
という明確な定義があるわけではなく、各宗派もそれを明確に定義しているかけでもなく
こうしなければならない・・・
というルールがあるわけでもないので、
「仏壇」という単語に対して持つイメージは人それぞれ違うということなのです。
でも、「先祖を供養する」
という気持ちよりさらに強く
「故人を偲ぶ」
という思いはあるのですから、「仏壇」という言葉は無くなるか変化してしまうかもしれませんが、
「メモリアルボックス」という「故人を偲ぶための何か」は必ず残っていくと思うのです。
今は「メモリアルボックス仏壇」とか「メモリアル仏壇」と呼ばれていますが、それは仕方のないことだと思います。
上記のように「仏壇」という単語に明確な定義がなく・・・
お客様ご自身が求めているものが何であるのかを正確に把握しているわけではないのですから。
葬儀が執り行われるときに、葬儀業者さんから
「お墓はどうなさいますか?」
「お位牌はどうなさいますか?」
と質問されて、はじめて気付く方が圧倒的なのだそうです。
仏壇の大きさと故人を偲ぶ気持ちが比例するわけではありません。
仏壇の金額と故人を偲ぶ気持ちが比例するわけでもありません。
たとえ小型仏壇でも、生活や家族の中心になる方が素晴らしいことなのではないかと思うのです。
故人への思いも人それぞれ
故人を偲ぶスタイルも人それぞれ
だから・・・
鏡壇”ミラリエ”は
「レイアウトフリー」という発想で、使われる方が自由に必要なものを配置できるように工夫しました。
「デザインフリー」という発想で、額を彩れるタイプのシリーズを準備しました。
「コーディネートフリー」という発想で、室内のインテリアコーディネートが自由にできるアイテムを準備しました。
形式にこだわるのではなく、
「故人への思いを自由な発想でカタチにしてほしい」
そんな開発の背景にある発想が、お客様に伝われば素敵なことだと思っています。