スチール(鋼板製)からスタートして、アルマイト製、アルミ製、アルミとアルマイトの複合と進化してきた鏡壇のキャビネットですが、
LLサイズや、もっと大きなサイズに対応するのに色々と課題が浮かび上がってきました。
サイズが大きくなると、当然のことながら重量が増えます。
日本の住宅は石膏ボード下地の壁が多いので、簡単に設置できて安全性を確保するためには軽量化は避けて通れない関門です。
そのために、この夏、試作を繰り返してアルミとアルマイトの複合で従来の2/3の板厚で、キャビネットの重量もほぼ2/3に軽量化することに成功していたのですが・・・
LLサイズのように、鏡壇の全体が大きくなるとキャビネットは当然重くなるわけですが、こちらはさほど問題ではありません。
ミラーフレームは鏡が大きくなる分、極端に重くなるのです。
それに伴い、ミラーフレームを支える蝶番と呼ばれている金具の部分に大きな負荷がかかります。
SMLサイズでは問題なかったのに、LLサイズになるとキャビネットの矩形を保つことや、蝶番部分の接合強度が懸念されるようになりました。
せっかくアルミで軽量化を図ったのに、強度を確保するためにスチールに逆戻り?
それって、進化ではなく退化だし、
改善策ではなく妥協策なのでは?
と、思い悩んでおりましたところ、さすがに金属加工のプロは経験も発想も違いますね。
大きなサイズでの試作はスチールに戻しはしましたが、アルミより更に薄い板を使うことで、重量増になることを避け、強度が必要になる部分には補強を入れて、課題を解決してくれました。
なおかつ、強度を保ちながら軽量化を図り、LEDで温度が上がるキャビネット内部の放熱の効果を上げるためにこんな工夫も・・・。
▲キャビネットの背面▲
鏡壇の進化と改善はまだまだ続くのです。