以前にも、母親用の壁掛け仏壇を開発したあとに、なぜ白い壁掛け仏壇を作ろうとしたかについてちょっと書きましたが・・・
私の中にはインテリアコーディネートできる仏壇のイメージとして「女性のための仏壇」、しかも「白い仏壇」というこだわりがあります。
多くの読者の方は、結婚と仏壇って、ちょっとピンとこないとは思うのですが・・・
結婚っておめでたいことなので、その感覚は多くの方にとって当たり前かもしれません。
個人的な体験なのですが・・・
私のワイフのお母さんは、私たちが結婚する以前に乳癌で亡くなられていました。
だから、結婚式のときは母親の代わりに、伯母がワイフの隣に居ました。
ワイフにとって、一番喜んで欲しかった母親は、結婚式のときにはもういなかったのです。
結婚のときに、父親か母親、もしくは両親がすでに他界している人って、そんなに多くはないとは思うのですが・・・
でも、そういう人たちが結婚して新居を構えるときに、新しい門出にふさわしい仏壇って、かなり少ないと思います。
親への感謝の気持ちは、両親が健在な人よりも、親を亡くされた方の方が強いと感じています。
だからこそ、そういう人たちが、親への感謝の気持ちを表す、親への供養をする・・・
そのためには、従来の暗いイメージの仏壇ではいけないと思ったのです。
メモリアルボックスとしての仏壇、つまりメモリアル仏壇は、思い出と同じように美しくなければなりません。
人生の新しい門出を、亡き親が祝ってくれるようなイメージの仏壇、輝かしい未来をたたえてくれるようなデザインの仏壇・・・
そして、新しい住まいのインテリアに似合うような仏壇・・・
私のイメージは、ウェディングドレスの白なのです。
白い仏壇は、穢れのない清純さや、亡き親を偲ぶ純粋な気持ちを表す色であり、暗い過去を払拭して美しい思い出として過ぎた日を偲ぶこと、同時に、明るい未来を象徴するかのような清々しいイメージがあること・・・
そして、新居のインテリアにコーディネートできる仏壇・・・
それは白い仏壇なのです。
洋風のインテリアのコーディネートしやすい額の色としては、他にも黒や金・銀、茶系の色、木目調の家具の色などもあるのですが・・・
これらは、既に仏壇の色としてもつかわれているので、あえて既存の仏壇で使われていない色を選ぶことで、なるべく仏壇と認識されないような、仏壇と認識しにくいような色をあえて選びたかったのです。
インテリアコーディネートには、あえてワンポイントとして目立つ色を配置するという方法もありますが、回りと調和させて目立たないけれども生活空間の中で必要な機能を充足させるという相反する方法があります。
どちらも正しく、どちらも間違っているわけではありません。
ただ、私故人の「2号機」試作時の思い入れは
女性のための仏壇=白い仏壇
だったのです。