薄型インテリア壁掛け仏壇「鏡壇」専門ブランド:グレイスプレイス

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創価学会・SGI会員様用 薄型インテリア壁掛け仏壇グレイスプレイス

仏壇を、おしゃれな女性のためのという発想は、

10年早かったのかもしれません

最近では仏壇屋で、白い仏壇や薄いピンクの仏壇といった女性向けのシンプルでキレイな家具調の仏壇も見かけるようになりました。

パールの入った高級感のある塗装で、確かに家具の仕上げとしては素敵なんですけど・・・どんな女性が、どんな暮らしの人が、どんな部屋に住んでいる人が買うのか・・・

ということは全く想像できません。

確かに、エレガントな部屋で暮らしているおしゃれな女性が、いくら最高級だといっても無垢の黒檀の仏壇を買うとは思えないですけど・・・

扉を閉じている状態では、シンプルな直方体の箱ですから、一見して仏壇だとは思わないかもしれませんが、リビングにロッカーのような箱が置かれていたら違和感があるのではないか・・・

と私は思うのです。

寝室に置かれていたらおしゃれなワードローブに見えるでしょう。

キッチンに置かれていらた、かわいいパントリーに見えるでしょう。

でもリビングには、あまり背の高い家具って置きませんよね。

しかも、和室であれば床に正座したときの目の高さを基準に仏壇の高さを決められますから背は低くてもかまいませんが、椅子に座った生活の洋室であれば、従来の和室に置くことを前提としていた仏壇よりも40~50cmくらい背が高いものが必要になるはずです。

私が、仏壇屋さんが開発した、女性用のおしゃれな家具調仏壇に違和感を覚えるのはここにも原因があるのです。
従来の仏壇の発想のまま、それを洋間に持ちこむと、和室なら180cmくらいの高さでちょうどよかった仏壇が、椅子の座面の高さ分40~50cmをプラスすると220~230cm位になってしまいます。
もちろん、中のレイアウトを変更することでもっと高さを抑える設計は可能でしょうけど・・・

洋間に置ける・・・でも、使うときは正座してね・・・

そんな風に見えてしまうのです。

そもそも、私が壁掛け仏壇の試作に挑戦した10年前は、「女性のための仏壇」という発想すら少なかったわけですから、それでもまだ、仏壇メーカーの開発姿勢は前向きになっていると思います。

前回の記事で少し触れましたが、私が住宅メーカーに在籍していたときに、今はスタンダードになっている「ひきだし式の収納」のシステムキッチンを、インテリアコーディネーターの女性陣と一緒に開発したのは平成2年(1990年)でした。

何社ものメジャーなシステムキッチンメーカーに図面と仕様書を出して、そのうちの1社にOEM生産してもらうことで、オリジナル商品として発売しました。

本社内の評価はたかかったのですが、現場の営業マンにはその良さを分かってもらえなかったみたいですね。

その後、約10年経ってからシステムキッチン業界では引き出し式がスタンダードになりました。

不思議なものですが、素晴らしい発想でもタイミングが合わないと埋没してしまうんです。

私がこの会社の本社商品企画部に配属になって、毎日毎日企画書を書いていたときに当時の上司(商品企画部長)からは「没」ばかりで、納得できない日々が続いたのですが・・・

ある時、その上司が「飲みに行こうか」と誘ってくれました。

そのときのことは今でも忘れられません。部長は

「君の企画は面白い。先見の明がある。でも、10年早いね・・・」

「市場は10年先の物を今、目の前に差し出されても理解できない。進化は今の物の一歩が二歩でいいんだ。だから企画書も、あまり飛び過ぎない方がいい」

と諭してくださいました。

それでも、自分の先見性、先進性を否定されたのでは、存在価値まで否定されたようで、納得いかなでいると、多分、部長は私のその気持ちを察したのでしょう。

「通らなかった企画書は全て保存しておきなさい。そして10年経ったら見直してごらん。きっと時代が君に追いついているから」

そのとき、私はこの上司に着いていく・・・そう思いました。

(次期取締役候補の筆頭だった方なのですが、リベラルな考え方の人で、どこの派閥にも属していらっしゃらなかったので、残念ながら子会社に追い出されてしまいました。でも、出世を望まれていた方ではなかったので、案外、その方が良かったのかもしれません。その後も長くお付き合いさせていただきましたし、出張のたびに立ち寄らせていただいて呑みに行ったり、ご自宅にお邪魔して呑みあかしたりもしました)

この会社をやめた後も、何度が「10年早い企画」を世に出してしまい、市場がついてこれなかったという失敗は何度か経験しました。

でも、10年早い企画を世に出して成功している企業もあります。

それは体力のある会社ですが、細々と初めて継続し、市場の啓蒙を続けるのです。10年かかってブレイクしたときには市場を独占できるか、他社が気づいて追従しようにも追いつけないくらいの距離感を持てるわけですから。

種をまいて育て、実りを待つという農耕民族型の経営なので、アメリカ型の経営だとありえない話かもしれませんが、日本にはこうした未来を見つめて布石を打つ「気のなが~い経営」をしている会社もあるのです。

地味だけど・・・経営基盤が揺るがない会社ってそんな感じだと思います。

またまた、大幅に脱線してしまいましたが・・・

省スペースでコンパクトな仏壇

壁に掛けられる仏壇

という風に、お客様のニーズも変化してきました。

素敵な暮らしをしている女性に似合うおしゃれな仏壇

という市場は10年前にはなかったわけですから、今思うと、10年前に試作がうまくいかなかったことは、私にとってラッキーだっということ。

もし、10年前に開発に成功していたら・・・

市場から受け入れられなくって、私は大損害を被っていたでしょう。

結果的に10年放置されていた企画ですが・・・

市場が理解してくれる時期が来た。

10年前に解決できなかった技術的な問題が解決できる環境が整った。

25年も前の上司の教えを改めて実感している昨今なのです。
仏壇の写真
ガラスのマジックミラーを透過させることができず
やむなくアクリルを使用。
ガラスに比べて平面の精度が低いため、画像が歪む。10年前に、こんな状態で満足してしまっていたら・・・
大量生産していたら・・・
とんでもないことになっていたでしょうね。

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